シルク下着の効果・効能(お肌への優しさ編)
シルクには多くの効果・効能がありますが、一番よく言われている事がお肌への優しさではないでしょうか。
なぜシルク下着はお肌にいいのかでしょうか?
繊維原料と下着業界に30年在籍して得た知識をもとに わかりやすく解説してみたいと思います。
これからシルク下着のご購入を検討されている方に 正しい知識で選んでいただければと思います。
シルクの成分
シルクの成分はヒトの肌に近い
シルクは天然繊維でありますが、カイコが吐き出す糸から生まれる動物由来のものです。
シルクの主成分はタンパク質で純度が非常に高く、糸の成分の98%ぐらいをタンパク質が占めます。
シルクの糸は外側を覆っている「セリシン」と内部の「フィブロイン」の2種類のタンパク質で構成されています。
タンパク質は人間の体を構成する上でも必要かつ重要な成分「アミノ酸」で構成されています。
シルクにはこのアミノ酸が18種類も含まれており、肌への親和性が非常にすぐれています。
つまり人体に馴染み拒否反応を起こしにくい素材ということになります。
かつては手術用の縫合糸にも使われていたぐらいですからかなり親和性は高いですね。
セリシン入りにはご注意
衣料品の場合、シルクの外側を覆っているセリシンは精錬して取り除き内側のフィブロインだけ使用します。
なぜ人体への親和性が高いタンパク質のセリシンをわざわざ落とすのでしょうか?
1つ目の理由はシルク外側のセリシンは非常に硬いためです。
マユから取り出されたばかりの糸は非常に硬く、粘着性があります。この硬くてネバネバなのがセリシンです。
こうしてセリシンを取り除かないとあのなめらかなシルクの肌触りが生まれないためです。
もう一つの理由は綺麗な色に染色できないためです。セリシンが残っていると内部のフィブロインに染料が吸着しません。
生糸独特の素晴らしい光沢はフィブロインのプリズム効果によるものなのでセリシンを落とさないと綺麗に発色しないのです。
余談ですが かつてセリシンを残したままの生糸を扱う事がありましたがとにかく硬い!染めてもムラになりとても汚い糸になりました。
生地は肌触りがジャリジャリして痛いし、見た目もシルクのようには見えない艶のないものなので全く売れませんでした。
そのくせ糸の値段も高かったので大損をした苦い経験があります。(苦笑)
「マユから取れた糸そのものを使っています」とうたっているシルク下着には特にはご用心!
ハッキリ言います。シルク下着にはマユから取れた糸をそのまま使う事は常識からしてまずあり得ません!
もし本当だとしたらそのような下着は硬くて痛くてとても着れません。どんな糸でも必ず精錬処理はしているはずです。
フィブロインだけが一番いい!
衣料品以外の業界では注目されているシルクのセリシンですが 下着においてはセリシン入りはとても硬く、肌の弱い方には逆効果です。
セリシンを落としたフィブロインも成分は同じタンパク質です。肌への親和性はとても高いです。
フィブロインだけにするととてもなめらかな肌触りになるので お肌にとっても優しくなります。
なので下着では中途半端にセリシンを残して効能を訴えるより きれいに精錬してセリシンを落としたフィブロインだけのほうが何倍もお肌にいいです。
繊維が細かいのでなめらか
シルクは非常に細い糸から構成されています。
専門的になりますが繊維というのは 天然繊維、化学繊維問わず 構成している繊維の太さが細かいほど風合いがしなやかになります。
当店商品ではシルクのみならずコットンも極細の原料を使っているので非常に柔らかくてしなやかです。
シルクはとても細い糸を何本かに撚り合わせたもなのでとても肌触りがよく しなやかになります。
表面はツルツルのためお肌への抵抗が少なく皮膚を刺激しないのでとてもお肌に優しいわけです。
アレルギー対策としては?
化学繊維アレルギー、皮膚炎の方にはおすすめ
アレルギーは色んな物質に対して体が拒否反応を起こすことで発生します。
特に石油由来のアクリル、ナイロン、ポリエステルなどの化学繊維の衣料品を着ると体中かゆくなったり、ミミズ腫れのような皮膚疾患を起こす人は少なくありません。
私も40代から化学繊維のゴムが直接肌に当たるとかゆみなど皮膚疾患が出るようになりました。
中にはアナフィラキシーショックなど化学繊維が致命的な存在の方もいらっしゃるようですので深刻な現代病だと言えます。
シルクは天然の動物が生み出すタンパク質が主成分なので人間の肌にはとても親和性が高いです。
また、他の天然繊維と違い繊維が細かくお肌への刺激も少ないので化繊アレルギー体質の方だけでなくアトピーやニキビなどの皮膚炎の方にもいいです。
個人差はありますが 私はシルクを着てかゆみが発生したことはありません。
染料自体は肌への影響ほぼゼロ
「染料を使っていない生成色のシルクが肌に良くて、きれいな色で染められているシルクは化学薬品を多用しているので体に良くない」などと言う人がいますがこれは誤った情報です。
生態系への影響があるアゾ系染料は日本はおろか中国でも使用禁止にされています。
最近は日本も中国も品質検査がかなり厳しく、違反すると染工場も営業停止になるのでまず使用していません。
専門的になりますが染色というのはペンキのように表面をコーティングするのではなく、繊維の小さい空間に染料の分子を付着させるものです。
分子レベルの細かい話であり 糸の中で染料が占める割合はほんのコンマ数%しかありません。
また余分な染料は洗い流すので人体に及ぼす影響は限りなくゼロです。
ちなみに生成色のシルクも生地になるまでに精錬時に化学薬品を使います。
粗悪なシルクの場合、生成色にするためにわざわざ染料を使っていることもあります。これはとても悪質なケース。
結論として生成と色物の薬剤使用レベルは大差ありません。また人体に影響を及ぼすレベルではありません。
もし染料が原因でアレルギー反応を起こしたら草木染めのものしか着れなくなります。大半のシルク商品は諦めざるを得ません。
シルクがアレルゲンの方は絶対ダメ!
言うまでもないですがシルクアレルギーの人はシルク下着を着る事ができません。
ただ、シルクのニオイが嫌という方はおそらくアレルギーではないと思われるので しっかり精錬しているものを選べば臭わないので大丈夫だと思います。
ちなみに当店のシルクはきちんと精錬して不純物が入っていない5Aランクの生糸を使っています。
アレルギーの原因はネット上で安易に調べず、病院でアレルギー検査を行い、自分のアレルゲンが何なのかを理解することが大事になってきます。
結果的にシルクがアレルゲンだった方も実際にいます。
販売者側のセールストークに騙されないように注意してください。
まとめ
シルクのお肌への優しさについておさらいです。
- シルクの成分は人の肌の成分に近い
- 主成分がタンパク質で肌への親和性が高い
- フィブロインだけのものがお肌にやさしい
- 繊維が非常に細かいため肌触りが良い
- 化繊アレルギーや皮膚炎の人にも肌へ刺激が少ない
- 染色の有無と肌への優しさは関係ない
- シルクがアレルゲンの人はだめ
こんな感じです。すなわち
きちんと精錬されきれいな色に染まっているものこそ品質のみならずお肌への優しさもバッチリということです。
生糸には値段相応のキチンとした理由があり、ただ単に値段が高いだけではあありません。
精錬が不十分な安いシルク商品は不純物がいっぱい残留し、変な臭いがしたり、セリシンが原因でチクチクしたりします。
こうなると お肌にも衛生的にもよくありません。
大事なことは オーバーすぎる誤った情報に惑わされない事です!
せっかくの高級素材なので 正しい知識でシルク下着を選びましょう!知識は自分でつけるしかありません。
これからも 気持ちよくシルク下着を買っていただけるよう 微力ながらアドバイスしていきたいと思います!
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
P.R
当店のシルクはきちんと精錬した高級5A生糸のみを使用。
お肌に優しい下着ショップシルクチュールにもぜひお立ち寄りください!↓