シルク下着の素材の効能(デトックス)
皆さん こんにちは。
今回は シルクの効能でよく出てくるデトックス(毒出し)効果についてお話したいと思います。
ちなみに冷え取り健康法では「肝」になる効果ですね。この時点で何だかうさんくさい感じが・・・(笑)
デトックス(detox)とは、体内に溜まった毒物を排出させることだそうですが 本当にシルクにはこんな効能があるのでしょうか?
その事実についてこれからお話していきたいと思います。
シルク下着に排毒効果は無い!
いきなり結論から言いいます。
シルク下着に関しては排毒効果は期待できません。医学的にも全く証明されていません。
シルクには無数の穴があり、その穴に皮脂や水分が入って吸水・吸脂性が高くなるのは当ブログでもお話しました。
デトックスされる毒素が「皮脂や汗」のことを言っているのであればこれは間違いではありません。
でもあくまで「体の中にある毒素を吸い取る」というのであれば間違いです。
「汗に含まれる毒素を吸い出す」などという人もいますが 汗に含まれる老廃物なんてほんの僅か。明らかに誇張表現です。
それなら化学繊維でも汗や皮脂をたくさん吸うものもあるのでシルクに限らずどんな繊維でも吸い出すと言えます。
だったら、シルクに限って「デトックス」なんて表現せず「汗や皮脂をよく吸う」と言えばいいだけではないでしょうか。
デトックスで下着に穴が開く?
子宮は「デトックスをする臓器」だから老廃物がたくさん出る?
だから毒素が集中してシルクショーツのクロッチ(お股部分)に集まるから穴が開くことがある??
はっきりと申し上げますがこれ、本当なら かなりヤバいです。
こんな現象は普通 起こりません。
クロッチに穴が空いたらまず病気を疑うこと!
もし本当に穴が開く人は のんきにシルク下着のデトックス効果を楽しんでいないで 今すぐ病院に行ってください!
子宮から出てくるものの成分と尿を検査してもらってください。決して脅すつもりはないですが重大な病気の可能性があります!
確かにシルクに限らず天然繊維はアルカリ性や強酸性には弱いです。
それらの成分が体内から多く出ているということは腎臓や他の内臓疾患を患っている可能性が非常に高いです。
そうであれば体内が酸やアルカリに偏りすぎていることが考えられます。
デトックス効果にのめり込んで 手遅れになったら元も子もないですよ!
そうでなければ洗濯方法を見直す。
もし病気ではなく、クロッチに穴が空く場合は洗濯の仕方に原因があるかもしれません。
他店で多く見かけるのがシルクのお手入れは自宅で簡単にできるとアピールされていること。
私はこの洗濯説明の適当さが穴開きの最たる原因ではないかと思っています。
本来シルクはデリケートな素材。アルカリ性の漂白効果が高い洗剤を使ってはいけません。
また洗濯機で衣類同士をこすり合わせてゴリゴリ洗ってしまったら劣化するスピードはとても早くなります。
本来、中性洗剤を使い 洗い桶で押し洗い→すすぎ→脱水しないといけません。
ところがこの洗濯方法を丁寧に説明してないので、クロッチにアルカリ洗剤を直につけ、こすり洗いや揉み洗いをするから一発でダメになるんです。
シルクの洗濯方法は桶の中に水を入れ中性洗剤を溶かしてしばらく浸けておく。(汚れた所は中性洗剤を直接つけ揉まずにしばらく浸ける)
丁寧に押し洗いをした後、洗剤をよくすすぐ。脱水は手で軽く絞るかタオルドライして 形を整えて吊り陰干しでOKです。
早ければ洗濯の所要時間は5分ぐらいなのでお風呂に入ったときなどに一緒に洗えば手間は省けます。
注意:ただしお風呂の残り湯は使わないで!
とにかく汚れている所をこすり洗い揉み洗いしないこと!シルクは濡れてる状態でこすられるのが一番苦手な繊維だと覚えておいてください。
当店の下着に限っての話ですが参考までにシルク下着の洗濯方法はこちら↓
丁寧に洗っても穴が空く場合
ちゃんと手入れしてても穴が開いてしまったら・・・やったー!これこそ本物デトックス効果だ!・・・ではありません。残念ながら(笑)。
それは明らかに低品質のシルク素材を使った下着です。
普通のシルク下着なら週1~2度回の適度なローテーションで丁寧に手洗いすれば2~3ヶ月は十分もちます。
(毎日おんなじ下着ばかり着て毎日洗ったら話は別ですが)
この穴開きも濡れた状態での摩擦が原因と考えられますが もし洗濯前で穴が開いてたなら 間違いなくその商品は「粗悪品」です。
もし購入したお店がきちんと対応してくれなかったら次回は注意しましょう。
「マユと同じ生成色のシルクほど自然に近い状態なのでデトックス効果が高く、よく穴が開く」なんて記事も見たことがあります。
生成色であろうが染めていようが そんなショーツは声を大にしていいましょう。穴が開くなんて「粗悪品」じゃないの!と。
前にもお話しましたが綺麗な色にできないのは2級品の絹紡糸・紬糸の証拠。
第一、マユそのままの糸はネチャネチャ・ジャリジャリでまず使えません。
私は昔セリシンを微量だけ残した生糸を生産しましたがジャリジャリで硬すぎて全く売れず見事に失敗した経験があります。
セリシンを残しているシルクもありますが フィブロインだけのものよりは絶対に硬いので下着では変にセリシンの効果にこだわらないほうが賢明です。
洗濯していない場合
シルクの抗菌性に頼りすぎて洗濯をしない場合も劣化が激しくなります。雑菌により繊維自体がモロくなるためです。
抗菌性の高いシルクとて例外ではありません。洗わなければ穴も開くしニオイだってしてきます。
まぁ気持ち悪くて洗わない人なんてほとんどいないと思いますが・・・。一応念の為に。
素晴らしい繊維だが神格化されるべきではない
シルクは色んな効能をたくさん持っているので デトックスのような科学的・医学的に根拠のない効果がうたわれやすいと私は思っています。
しかし、シルクが神格化され、そして良いものも悪いものもシルク全部が一緒くたにされることには強い違和感を感じます。
高級素材として長い歴史を刻んできたシルクが侮辱されているようであまりにも可愛そうだとも思います。
高ランク生糸の様に古より受け継がれてきたシルクは別格の高級品として扱われるべきです。
低品質のものまで魔法の糸のように神格化し、あたかも高級品として扱うのは同じシルクを扱うものとして心が痛みます。
高級品には高級品なりの理由がきちんとあります。しかしその説明が適当に済まされているケースが非常に多いです。
だから科学が発展した現在において、皆さんがシルク下着で失敗しないようにこれからも適切にアドバイスしていきたいと思います。
当店では間違ってもデトックス効果なんてセールスポイントにしませんので安心してください。うさんくさい下着屋と思われたくないので。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
これからシルク下着を探している時に「デトックス」と言う言葉が出てきたらまず疑ってみてくださいね。
P.R 嘘、偽りのない当店のシルク下着もぜひご覧ください。
値段はそれなりにはしますが一応粗悪品は取り扱っておりませんのでこの機会にぜひお立ち寄りください!↓