コットンは洗濯するとなぜ縮むのか?コットン下着を縮ませない4つの方法
コットンすなわち綿は繊維の構造上、濡れて乾くと縮みやすい性質があります。
したがってコットンは洗濯すると縮みは避けられないとも言えます。
今回は、
- コットンが洗濯によって縮む理由
- なぜ縮みやすいコットンを下着に使用するのか?
- コットン下着を洗濯で縮ませないための4つの対処法
- コットン下着が縮んだ場合の対処法
をご紹介します。
コットンが洗濯によって縮む理由
理由①:綿の繊維の真ん中にある空洞がぺちゃんこになる
綿の構造は、繊維の真ん中が空洞になっています。
コットンの特徴である吸水性の高さは、このことに由来します。
たくさん水分を吸うとコットンの繊維が膨張し太くなります。
水分を含み膨張したコットンが乾くと、空洞に入っていた水分が抜けます。
これにより綿の繊維がぺちゃんこになるわけです。
こうなることで綿の繊維がしぼむこととなり、生地が縮んでしまうというわけです。
理由②:生地の種類によっては縮みやすい
もう一つの理由として、生地の種類によるものがあります。
コットンの生地は大まかに分けて、カッターシャツなどのアウターに使われている織物生地と下着や肌着に使われるニット生地に分けられます。
織物生地は、糸を縦と横にクロスしながら作っていくので、生地を構成している糸の密度が高くなります。
密度が高いので綿の繊維自体が縮んでも生地全体の縮みは少なくなります。
ニット生地は、糸を横方向に編んでいくので織物生地のように縦糸がありません。
この事により横方向に伸びる特性はありますが、織物生地に比べ構成する糸の密度は少ないです。
ですので織物に比べ縮みはどうしても大きくなります。
コットン下着は洗濯すると縮むというのは、綿の特性と生地の種類によるものだということがご理解いただけたでしょうか?
なぜ縮みやすいコットンを下着に使用するのか?
では下着にはなぜニット生地を使うのかというと、肌に直接触れるものなので、ある程度の伸びがないと窮屈になるためです。
例えばコットン100%のカッターシャツの織物生地は、縦横ともほとんど伸びませんよね。
だけどコットン100%のインナーシャツのニット生地は、縦方向はさほど伸びませんが横方向はカッターシャツの何倍も伸びます。
この生地の特性を活かし下着にはニット生地が使われています。
コットン下着を洗濯で縮ませないための4つの対処法
では、コットン下着の縮みにどのように対処すれば良いでしょうか。
4つの対処法をご紹介します。
①洗濯後に乾燥機を使わない
濡れて膨張したコットンが、乾燥してしぼむことで縮みが起こります。
そのため、衣類を一気に乾かしてしまう乾燥機を使うと、急激にしぼむので縮みが大きくなります。
②夏の炎天下では天日干ししない
これも急激な乾燥が原因で起こる縮みです。
天日干しでも日陰でゆっくり乾かせば一気にしぼむことはないので、縮みを防ぐことができます。
極力乾燥時間を短縮しないほうが、縮みを防ぐことができます。
③脱水時間を短くする
水分を沢山含み膨張したコットンを、長時間脱水することによりコットンがぺちゃんこになってしまいます。
強く脱水された状態でさらに乾燥すると、結局短時間で乾燥することと同じことになり縮んでしまうというわけです。
④縮まない加工をしているコットン素材を選ぶ
様々な下着メーカーが生地に縮まない加工をしています。
当店では、生地を引っ張りながら表面の毛羽(けば)をとるシルケット加工をしています。
こうすることでコットン繊維の形状を安定化できるので、過乾燥によるしぼみを抑えることができます。
加えて生地表面の毛羽を抑えることができるので、お肌への抵抗が減りとても着心地が良くなります。
縮みを抑えるポイントは
- 洗濯をした後、急激に乾燥しない。(乾燥機や炎天下での乾燥を避ける)
- 脱水時間を短くし、ゆっくりと乾燥させる。
これらは縮みのみならず、しわの予防にもなりますのでぜひ覚えておいてください。
コットン下着が縮んだ場合の対処法
もし縮んでしまった場合は、縮んだ方向と反対方向に生地を引っ張りながらスチームアイロンを当てると大分元の寸法に復活します。
また少しの縮みぐらいなら、縮んだまま着ていても多少は戻ります。
気にならない方なら無理に寸法を戻さなくてもいいと思います。(ちなみに私はこうしています)
まとめ
いかがでしたか。
乾燥させ過ぎがコットン下着の縮みの原因とは意外だったのではないでしょうか?
洗濯して軽く脱水し、形を整えて陰干してゆっくり乾燥させるだけで、かなり縮みは解消されます。
ぜひ皆さんも意識してコットン下着の洗濯をしてみてください。
よろしければ、当店の縮まない加工「シルケット加工」をしているコットン下着を是非ご覧になってください。