シルクの臭いを我慢してませんか?臭うシルク製品を買わないための見分け方
ネットショップでシルクの下着を買ったら、何とも言えない変な臭いがした経験はありませんか?
その臭いについてショップに「シルクは特有の臭いがする」と書かれていたら 「こういう臭いがするのは普通なんだ」と思っているならそれは間違いです。
本物のきちんとしたシルクなら変な臭いは絶対にしません。
変な匂いがするのは単純にそのシルク素材が良くないからです。
臭いの原因と、臭うシルク製品を買わないための見分け方をご紹介します。
臭いの原因は精錬不足による不純物の発酵・腐乱
シルクはカイコが作ったマユの段階から、本来のシルク糸である生糸になるために良いものと悪いものに選別されます。
生糸は不要な副産物を取り除いた上で糸の表面を覆っているセリシンを精錬と言う工程で落とします。
こうすることで不純物が残らなくなるので、ほとんど臭わなくなります。
選別ではじかれた2級品のマユは繊維を短くカットして紡績糸である絹紡糸、紬糸になります。
また生糸では不要なキビソやビスなどの副産物も使います。
紡績糸は生糸以上に精錬をしないと副産物やセリシンなどの不純物が残りやすく、発酵したり腐ったりして糸の中に残留します。
これが変な臭いの発生源です。
シルクで臭うものは大概がこの絹紡糸と紬糸の精錬不足で起こるものです。
残念ながら、この臭いは洗ったぐらいでは取れません。
染工場で精錬し直すか 他の臭いでごまかすしか対処法はありません。
臭うシルク製品を買わないための見分け方
ネットでは商品の臭いを嗅ぐことは出来ません。
しかし臭うシルクには特徴があります。
以下はあなたがシルク下着を買う時に臭うものの見分け方をお教えします。
値段が安いものを避ける
「安さ」の基準は日本製の女性用ショーツであれば、身生地シルク100%で大体3,000円(中国製なら2,500円)以下のものが目安です。
この値段以下のものには生糸が少なく、ほとんどが絹紡糸・紬糸でつくられたものなので、臭いがする可能性があります。
シルク下着の値段は製品の品質に正比例します。
特にシルクには相場や格付けがある素材なので、価値とステータスはそのまま商品の値段に現れやすいです。
洗濯したら臭い始めた(返品する)
不純物が残留しているシルク素材が、乾燥している状態では臭いがわからず、洗濯をし、濡れた状態から乾いていく過程で水分の蒸発と共に糸の中に残留している臭いの元と一緒に出て来るパターンです。
これは相当品質の悪い絹紡糸・紬糸に見られるものです。
まるで時限爆弾のようで本当にタチが悪いです。
一回洗うと返品は難しいと思わず、洗濯して顕著に臭うようであれば泣き寝入りせずショップに返品を要求しましょう。
ショップに「シルクは特有の臭いがする」と書かれている
高品質の生糸を使用すれば臭いなんてしないので、本来ショップはこのように書く必要がありません。
とりあえず正直に臭うことを書いておけば、低品質のシルク素材を使っていても責任逃れができると思っているのでしょう。
書くならきちんとした理由まで書くべきで、曖昧な表記には要注意です。
カラーバリエーションが生成り、スモーク、ダーク色ばかり
これは絹紡糸・紬糸を使っている特徴の一つです。
黒っぽい不純物が混ざっているのできれいな色に染められないためです。
シルク生糸の場合、天然繊維の中で最も綺麗で光沢のある色に染色できるので うすくきれいな色を付ける傾向があります。
全ての商品に該当するわけではありませんが、素材がわからない時など他の判断基準と合わせて見てください。
ちなみに染色することでシルクの物性や効能にダメージが残ることはありません。
分子レベルの化学反応で染料を付着させるので染料が人体に影響を与える事もほぼありません。
体に良いと言われる「生成り色」も染色と殆ど同じ工程で化学処理をしています。
何も生成り色だけが特別な色ではありません。
風合いがクタクタもしくはシャリシャリの下着だった
これは買ってからの判断になりますが、クタクタの風合いは絹紡糸・紬糸の特徴です。
シルクをカットして使ってるのでハリがなくクタクタになるわけです。
シャリシャリの硬い風合いは表面のセリシンが残っているからです。
そのセリシンが腐敗し臭うケースもあります。(それ以前に固くて肌触りが痛いです。)
きちんと精錬した生糸は適度なハリがあり表面がツルツルでなめらかなのでとても気持ちいいです。
本当に良いシルクは変な臭いはしない
この記事を読まれてる方の中に今まで「シルクとは臭うものなのか」と割り切られた方や、「こんなに臭うのならシルクはだめだ」と諦めた方もしらっしゃるでしょう。
ちょっとした正直な説明、丁寧さがあればシルクがもっと評価されるはずなのに、販売する側が適当に扱っているのを見ると本当にがっかりします。
残念ながら、市場には効果効能だけを主張して変な臭いがするシルク下着がまだまだ多く販売されています。
ここまで読んでいただいたらおわかりかと思いますが、皆さん考えてみてください。
5Aや6A生糸を使っている西陣織りの着物は変な臭いがしますか?日本人形は変な臭いがしますか?
同じシルクでも全くしないでしょう。
だから本当に良いシルクなら絶対変な臭いなんてしないんです!
まとめ
今後のシルク下着購入の際に、臭わないシルク商品を選んでいただけるようポイントをまとめてみました。
・本当に良いシルクは変な臭いがしないものと理解する。
・どんなシルク生地を使っているか原材料を把握する。(生糸・絹紡糸など)
・販売者が生地の説明ができているか?品質までしっかり管理しているか?
・しっかり精錬した上質の生糸を使用している。
・臭いについて詳しく書かれていない絹紡糸や紬糸のものには注意する。
・大事!シルク下着の安さに左右されない。値段は品質に正比例する。
シルクはやはり上質でなくてはなりません。
当店でもシルクの価値を上げるには本来もっと高く売るべきなのかもしれません。
だけど、粗悪なシルク下着に悩まされる方はとても多いです。
そんな方たちのために少しでも本物のシルクを身に着けてシルク本来の価値をわかって欲しい。
そういう想いから高品質のシルクを独自ルートで仕入れ工場直販にすることで価格を抑え販売しております。
ちなみに当店の5A生糸は絹紡糸より倍以上高額なものです。
安定して良い原料を入手できることも、毎年コツコツと中国のシルク工場に出向き、10年以上掛けて相手と信頼関係を築いてきたからこそできることだと思っています。
一般のシルク下着のショップに比べ割高に感じるかもしれませんが、その分価値ある品質であることは間違いございませんのでどうぞご安心ください。
また、着る人の事を考えて下着の生産は日本でしないといけないと思っています。
当店の下着は全て専属の日本人女性職人が丁寧に縫製しています。
大きな工場ではないので大量生産はできませんしアイテム数も少ないです。
その分細かいところまでに配慮して丁寧にものづくりをしています。
長文を最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は臭いに特化した記事となりましたが確かな品質で変な臭いがしないシルクチュールの本物シルク下着をこの機会にぜひご検討くださいませ。
上質な シルクチュールオリジナルの